2012年03月19日
空回り増税法案
日曜日朝、NHKの与野党政策担当者の増税法案をめぐる政治討論会を聞いていたが、緊張感もなにもあったものでない。というのも野党関係者が野田政権の姿勢をいろいろ批判するのは当然として、与党側であるはずの亀井政調会長は、増税法案そのものに真っ向から反対、そもそも連立に当たっては増税はしないという一札が入っているから、これに賛成するわけにはいかぬと明言。いや、論理明快、これに民主党党首も文句をつける余地なしなのだ。 この番組に出ていた民主党の一川参議院幹事長、このお方ももともと増税反対派なのだろう、この法案の取り扱いについて「党内で消費税率を引き上げるための法案の事前審査が続いているが与党の責任を果たすため、論点を整理して国民の意見を吸い上げるなかで、しっかりと方向性を見出す必要がある。近いうちには方向性が示されると思うので、そのあと、野党と大いに議論を深めていきたい」と述べていた。これは、「なんだ今頃なにをおっしゃっているのか」という感じである。 要するに法案の閣議決定が何時されるかという段階であるはずが、党としてはこれから増税法案に関して根本的な議論をした上で、論点をまとめ、野党にはかるつもりだという趣旨だから、「なによそれ?」って感じなのである。閣議決定以前の問題である。そのことはたちあがれ日本の片山参議院幹事長が指摘していたが、その通りなのだ。 このことにだけに限らないが、こうした事態を見ていると一体民主党ってその統治機構一体どうなっているのかと今更感じるのである。よく企業の不祥事が起こる度にその統治機構、ガバナンスのことが話題になるが、国家の政権を担っている与党民主党って一体そのガバナンスそのものがまさに体をなしているのかということである。 その疑問に輪をかけたのが、岡田副総理が自民党に大連立を働きかけたというニュースだった。自民党からすんなり、そんなものは受けられませんと断られたが、それが当然だ。増税法案をめぐって党内が真っ二つという状況の中で、どうして連立など成り立つのか。野田総理、岡田副総理の二人は、党内の反対派に対抗するため、自民党に連立してくれと申し入れているようだが、それは本来の政党政治のあるべき姿から大きく逸脱していることなど言うまでもないことだ。 あの原理主義者の岡田副総理、政党政治の基本理念も、哲学もあったものでない。自分の足元をきちんと固めないでどうして法案をまとめるための連立が組めるなどと思うのであろうか。岡田氏の動きに多くの民主党の主要関係者が不快の念を表しているのはこれまた当然のことではないか。 こうした状況を見てくると、この野田政権、内外から不信がつきつけられている状況で最早その修復は不可能の状況のようにも見えてくる。まさに四面楚歌である。 増税法案を政局にしてはならないと野田政権は言うが、むしろそうしているのは、野田首相、岡田副総理の一連の発言であり、行動そのものにあるようだ。こんな空気の中で、國民に大きな負担を強いる増税案など通るわけがない。 社会保障の全体像、一体改革の中身をきちんと説明すること、増税の前にやると約束した数々の歳費削減の実施案を具体的に提示することなく、増税法案だけ先行して通そうなどということが許されるわけがない。 tad 関係記事: 与野党 消費増税法案巡り議論与野党 消費増税法案巡り議論: NHKニュース 石原氏 民主大連立には応じず:NHKニュース 輿石氏 大連:立は党方針ではない:NHKニュース 山田前農相 大連立打診に不快感:NHKニュース
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